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AI活用

AIに工場のデータを渡すとき、個人情報をどこで切るか

シフトや歩留をAIに見せると、必ずスタッフの情報が絡みます。渡す・渡すが書かせない・渡さない、の3段階で線を引く方法と、線を引いた後に確認すべきことを整理しました。

Guida合同会社

在庫や歩留をAIに読ませるところまでは、多くの工場が抵抗なく進めます。止まるのは、人の話が絡んだときです。シフトを組ませたい、誰がどの工程をできるかを見せたい。そこで「従業員の個人情報を外部のAIに渡していいのか」という問いが出ます。

答えは「全部渡す」でも「全部渡さない」でもなく、項目ごとに線を引くことです。

3段階で分ける

実務で回るのは、次の3段階です。

区分扱い
渡してよいAIに渡し、回答に書いてよいスタッフコード、呼び名、役割、保有スキル、勤務可能な時間帯
渡すが書かせない判断の材料には使うが、回答文には出させない年齢、性別、家庭の事情、給与に関する希望、備考
渡さないそもそもAIに送らない実名、住所、連絡先、マイナンバー、健康に関する情報

真ん中の段が要点です。「9時以降しか入れない人が1名」という判断はしてほしいが、その理由(子の送りがある、など)は回答に書かれては困る。判断の材料と、表示してよい内容は別物です。

実名は渡さなくても業務は回る

「実名が無いとシフトが組めないのでは」と思われがちですが、実際には回ります。必要なのは同じ人を同じ人だと識別できることであって、名前そのものではありません。スタッフコードと呼び名があれば、AI側の処理は成立します。

そして、実名を渡さないことの効果は大きい。仮に外部に何かが漏れても、コードと呼び名だけでは個人を特定しにくくなります。渡さないという選択が、いちばん確実な安全策です。

線は「取り出すとき」に引く

線を引く場所も重要です。AIに送る直前にフィルタをかけるのではなく、データを取り出す段階で、渡さない項目を含めない設計にしてください。

送る直前で落とす方式は、機能を追加したときに落とし忘れが起きます。最初から取り出さない方式なら、忘れようがありません。

線を引いたあとに確認すべき3つ

  1. いま何が渡っているかを、いつでも見られるか。一覧で確認できる画面があるかどうかを確認してください。仕様書に書いてあるだけでは、時間が経つと実態とずれます
  2. 渡したデータが学習に使われないか。生成AIの提供事業者ごとに設定が違います。契約と設定の両方で確認します
  3. 従業員に説明しているか。ここは道具ではなく、雇用している側の責任です。「シフトを組むために、呼び名とスキルと勤務可能時間をAIに渡している。実名は渡していない」と説明できる状態にしておいてください

説明できることが、導入の条件

社内で反対が出るとき、理由はたいてい「何が起きているか分からない」ことです。渡している項目を一覧で見せられれば、議論は具体的になります。

逆に、「AIがよしなにやっています」としか言えない状態では、労働組合や従業員の質問に答えられません。説明できない仕組みは、技術的に正しくても定着しません。

個人情報以外にも線は要る

取引先の単価、原価、レシピや配合。これらも、渡す範囲を決めておく対象です。個人情報ほど法的な要請は強くありませんが、漏れたときの影響は小さくありません。個人情報と同じ3段階で整理しておくと、判断が揃います。


AI工場長 becon は、この3段階の区分をシステム側に持ち、実名は取り出す段階で除外します。いま何がAIに渡っているかは、専用の画面でいつでも確認できます。自社のデータでどこに線を引くかは、無料の現場診断で一緒に決めます。

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