
シフト表は埋まっているのに、当日になって製造が回らない。原因はたいてい、シフトを人数だけで組んでいることにあります。
「3名」では足りているか分からない
遅番に3名必要で、3名入っている。一見問題なさそうですが、その日の製造がSKU-12の充填で、充填ができるのが1名だけだとしたら、その1名が休んだ瞬間に止まります。人数は足りていて、スキルが足りていないという状態です。
シフト表と製造計画が別々の紙にあると、この状態は当日まで見えません。
重ねて見るために要るもの
難しい仕組みは要りません。次の3つが揃えば、重ねて見られます。
- 誰がどの工程をできるかの一覧(スキルマトリクス)。◯/△/×の3段階で十分です
- その日の製造予定と、それに必要な工程
- その日のシフト(誰がどの時間帯にいるか)
この3つを突き合わせると、「明日の遅番、充填ができるのは1名」という形の答えが出ます。ここまで出れば、手の打ちようがあります。
スキルマトリクスは3段階で作る
作り込むと終わらないので、最初は粗くて構いません。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| ◯ | 1人でできる |
| △ | 教えられながらならできる |
| × | できない |
△を入れるのが要点です。◯と×だけだと、育成の途中にいる人が見えません。△の人がいる工程は、指導できる◯の人と一緒に入れる必要がある、という判断ができます。
工程の数は、まず止まると困る工程だけに絞ってください。全工程を網羅しようとすると、更新されなくなって使われなくなります。
見えてくる3つの穴
重ねて見ると、穴は3種類に分かれます。それぞれ打ち手が違います。
- 人数の穴:頭数が足りない。増員か、製造量を落とすか
- スキルの穴:人数はいるが、必要な工程をできる人がいない。配置換えか、製造順の入れ替え
- 1人しかいない工程:その日は回るが、休まれたら止まる。いちばん危ないのはこれです
3つ目は、当日には問題として現れません。だから放置されます。「◯が1人しかいない工程」の一覧を作って、そこから育成の順番を決めるのが、いちばん費用対効果の高い動き方です。
製造計画のほうを動かす選択肢
穴が見つかったとき、人を動かすことばかり考えがちですが、製造の順番を入れ替えるほうが早いことがあります。
充填ができる人が明日1名しかいないなら、充填の要らない製品を明日に回し、充填は人が揃う日にまとめる。納期に間に合うなら、これが最も摩擦が少ない解決です。シフトと製造計画を同じ画面で見る利点は、この選択肢が見えることにあります。
誰を動かすかは人が決める
配置は数字だけでは決まりません。通勤時間、家庭の事情、本人の希望、教育の順番。これらは現場の人間関係を知っている人にしか判断できません。
道具ができるのは、「明日の遅番は1名足りず、充填ができるのは1名だけ」という事実を前日までに出すことまでです。誰を動かすかは、その事実を見た人が決めることです。
AI工場長 becon は、シフトと製造計画を突き合わせて、人数の穴・スキルの穴・1人しかいない工程を前日までに知らせます。スタッフはスタッフコードと呼び名で扱い、実名はAIに渡しません。実際の画面と流れは、ウェビナーでご覧いただけます。


